『ハングリーラビット』の疑問点をネタバレ解説/海外での評価も紹介

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ニコラス・ケイジの魅力と緊張感の詰まった、なかなか面白い映画でしたね。でもこの映画、よくよく考えると理由がわからないところとか、説明不足のところ、多くないですか?
映画『ハングリー・ラビット』のよくわからないところをネタバレ解説していきます!

目次

  • なぜ記者の携帯に主人公の動画があったのか?
  • なぜ「動物園」で尾行をさせたのか?
  • なぜ記者はいきなり襲いかかったのか?
  • なぜ組織は主人公を見捨てたのか?
  • なぜ警部補は逃がしてくれたのか?
  • ラストシーンはどういう意味?
  • 海外での評価

なぜ記者の携帯に主人公の動画があったのか。

殺された(正確には事故死した)記者の携帯には、主人公が動物園で女性を尾行していたときの映像が記録されていました。
いったいなぜ、会ったこともない記者が主人公を撮影していたのでしょうか?

組織の罠説

実は記者が撮影したわけではない!?
主人公を撮影したのは組織であり、殺害後に何らかの方法で(おそらく警察内部の人間を使って)記者の携帯に撮影データを入れ、主人公を陥れようとしたという説です。
組織の陰謀を感じさせますね…!

ところが、よくよく考えるとこの説には矛盾があります。

だって、まだ主人公が組織に従順だったこの時点では、「主人公が記者と関係があった証拠」を用意する意味がないのです。だって、警察が「主人公は通りすがりの被害者に無差別に襲いかかった!」と判断しても、組織には何の問題も無いわけですから。

わざわざ労力を掛けてまで、撮影データを入れる必要性が説明できません。

尾行されてた説

そこで浮上してくるのが、「実際に記者が主人公を撮影していた」という説です。
しかしそこには当然、「なぜ記者が主人公を知っていたのか」という疑問が残ります。

その鍵は、貸し倉庫に隠されていた記者の取材データにあります。

あの中に、支部長・サイモンをはじめとする組織の人間の顔写真がありましたよね?
これらの写真を撮影できたということは、記者はある程度組織の謎を解明しており、サイモンらをこっそり尾行していた可能性があるということなんです!

一方、映画の冒頭では記者に組織の情報をリークした裏切り者が、屋上から車ごと突き落とされ殺されたました。
このことから考えると、組織側も記者の動向をある程度捕捉していたと考えていいでしょう。

ただ、記者も組織からの暗殺を警戒して行動していたでしょうし、組織も完全には記者の動向を把握出来ていなかったとも思われます。
(なにせ、いくら人数が多いとは言え、「組織」は本質的には本業片手間の素人の集まりです。24時間フリーに使えるジャーナリストを相手にするのは至難の業です)

つまり「組織を追う記者」と「記者を追う組織」は、お互いにその存在をさぐり合う戦いの最中だったと考えられるのです。

そんな中、組織のメンバーを尾行中の記者が、サイモンと主人公が接触しているのを偶然みてしまった!
そんな可能性は十分に考えられます。

当然記者は、「主人公は組織に関係のある人物だ」と警戒します。そんな中、動物園にて再度主人公をみつけ、その映像を撮影した…そう考えるとあの動画も説明が付きます。
(あるいは積極的に主人公を尾行していた可能性もありますね)

なぜ「動物園」で女性を尾行をさせたのか。

ひとつは組織への忠誠度を試すためではないでしょうか。
今まで何もしたことのない人間に重要な「記者殺害」などの案件を任せるのはリスクが高いです。実行しない、裏切って警察に駆け込むなどの可能性も有り得ます。

それに、いきなり「殺害協力」ではさすがにハードルが高い…。徐々に「組織に協力させること」に慣れさせる必要がありますからね。

それと同時に「記者をみつけたら電話しろ」という指令もでていましたが、これは正直よくわかりません…。
記者の動向を100%捕捉できていなかったため、「情報がでたら知らせてね」ぐらいのものだった可能性があります。
しかしその説だと、教室の黒板に電話番号を書いて警告する意味がよくわからないし…。

あるいは

記者が動物園に行くらしい情報を得て、新人の主人公を送り込んだ

でも主人公が組織と接触していたことは記者にバレてた

記者はさっさとトンズラ、計画失敗

組織は主人公の失態と勘違い。

という流れでしょうか?

なぜ記者はいきなり襲いかかったのか

これに関しては先ほどの尾行していた説が活きてきます。

ただでさえ協力者が殺害され、神経過敏になってた記者さん。
自分の行動が組織にバレている可能性が高く、いつ自分も殺されるかわからない毎日です。
そんな状態で組織のメンバーと接触していた男が、挙動不審気味に話しかけてきたら…

そりゃ必死で抵抗しますよね(笑)

それにしても、こういうときのニコラス・ケイジのハの字眉毛、いかにも挙動不審そうですよねえ。

なぜ組織は主人公を見捨てたのか

意外と説明が付いていないのですが、なぜ組織は主人公に罪をきせ、また殺害しようとしているのでしょうか?

組織に従わないものはコロス説

サイモンさんはどうも自分の意のままにならない手下がお好きじゃない様子。せっかく暴行犯を殺してやったのに、この崇高な組織を裏切るのかー!と勝手に逆恨みした可能性があります。

主人公は組織からの記者殺害命令を無視していますので、制裁みたいな感覚で殺した説です。たしかに矛盾はありませんが…いくら何でも乱暴すぎるかと(・ω・`)

トカゲの尻尾切り説

最初から主人公を罠にはめる計画を立てていた説です。

貴社は組織の調査をしていましたが、そのデータがどこにあるか、組織もよく把握していないようでした。
つまり、記者を事故に見せかけて殺害しても、誰かにそのデータを公表されれば、殺害は組織の仕業と疑われる可能性が高い。なんとしてもそれは避けなければなりません。

そこで、まだ組織のメンバーとほとんど面識のない新人(=主人公)を使って殺害し、組織との繋がりを隠そうとした説です。

この説だと「主人公に組織の話をしてしまっている」という矛盾が生じますが、最初から警察に収監されたら別のメンバーに「処分」させるつもりだったのかもしれません。

捕まっちゃったから見捨てた説

実は組織は、積極的に彼を見捨てるつもりはありませんでした。
しかし、あまりにも素人臭い動きで監視カメラに写りまくり、さらに、実は記者の携帯で撮影までされていたことが発覚し、「どうみても犯人です」な状況に。見捨てざるを得なくなった…という説です。

僕としてはこの説を推しています。
最初から罠にはめる計画だと、いくら暴走気味の組織と言えど、彼を犠牲にするメリットが感じられませんし。

またこの説だと、警察に捕まったあと警部補から「このままだと事故に見せかけて殺されるぞ」と言われた意味が繋がります。

組織としては完全犯罪のつもりだったが(それにしては、お粗末ですけどね)、捕まってしまったからには口封じの為に殺すしかない…ということです。

もともと、主人公は組織にとって、命令違反の前科もある新人です。警察から救い出すほどの労力をつぎ込む価値がない、組織を危険に晒せないという判断だったのでしょう。

なぜ警部補は逃がしてくれたのか?

劇中、友人のジミーが主人公に「刑務所から逃がしてくれるように頼んだのは俺だ」と言っています。
このセリフと上記の「捕まっちゃったから見捨てた」説から考えると、こんな流れが考えられます。

主人公が捕まってしまった!

サイモン「しかたがない、見捨てよう。あと口封じに殺しといた方がいいな。」

友人「……。(いくらなんでも殺すなんてひどい…!そうだ、組織の上位メンバーの警部補さんに相談したら、口封じに殺すのは反対してくれそうだ。助けてくれるかも…!)」

友人「かくかくしかじか」

警部補「ふむ。それはひどい。」

警部補「空腹のウサギは?」

主人公「跳ぶ(´・ω・`)」

なお、警部補が再登場した終盤の立ち居振る舞いから考えると、彼は組織の中でも自由裁量で動ける上位のメンバーであることが伺えます。

おそらく、地区の支部長・サイモンより上ではないものの、「サブリーダー」や「古株の班長」くらいだったのではないでしょうか。
きっと、批判しないまでもサイモンの暴走は苦々しく思ってたんじゃないでしょうか。ひとつの組織と言えど、一枚岩ではなかったと思われます。

あるいは、余所の支部からきた監査役とかかもしれませんね。

ラストシーンはどういう意味?

主人公が取材データの入ったディスクを、新聞社の人間に渡すと、彼はにやりと呟きました。

「空腹のウサギは跳ねる」

このセリフには二つの解釈が考えられます。

  1. 実は彼も組織のメンバーだった。組織を公表しようとディスクを渡したが、それは握りつぶされてしまう。
  2. 実は既に組織について知っていた(死んだ記者から知らされていた。)ジョークのつもりで呟いた。

ま、前者だとは思うのですが。

なお、これらの解釈は、僕が「こう考えれば筋が通る」と推理したもので、映画や資料の中で根拠が示されているわけではありません。(そもそもこの作品には原作やノベライズなどの資料もありません。)
あるいは「製作側はそこまで深く考えておらず、辻褄があっていないだけ」…という悲しい可能性も十分あると思います(´・ω・`)

海外での評価

海外の大手映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では、この映画(原題『Seeking Justice』)に対し映画評論家満足率27%という非常に低い評価がついています…。(参照

個々のレビューを読んでみても、なかなか辛辣な評価が並んでいます。

「パートタイムの素人が完全犯罪を成し遂げるという無理のある設定」

「ロジャー・ドナルドソン監督の才能は枯れ果ててしまったように思える」※『世界最速のインディアン』、『バンクジョブ』などでは高い評価を受けている監督。

「おお、ニコラス・ケイジ!ロバ顔の演技の大げさな大根役者よ!お前はいつまで自分のセルフパロディを続けるのだ?」

「これはニコラス・ケイジの、典型的な“ポットボイラー”ですね」

※ポットボイラー(pot-boiler)
ポットのお湯を沸かすための作品→光熱費・生活費を稼ぐための作品→お金を稼ぐためにつくった低品質な作品
…実は主演のニコラス・ケイジは浪費家として有名で、フェラーリの現行車種を全て所持、恐竜の化石、ピラミッド型の墓、古城まで購入しています。
彼の映画出演料は15億円に上ると言われてますが、そのあまりの浪費から財政難に陥り、支払いに苦労したり、車や家が競売にかけられたニュースが度々報道されています。

しかし中には

「この映画には、緊張感、アクション、そしてもちろん“ニコラス・ケイジ”があった」

と肯定する評価もみられます。

また評論家からは辛辣なコメントが多い一方、IMDbのユーザーレビューでは10点満点で星6.2と、それなりに評価を受けています。

※IMDbとRotten Tomatoesの採点が異なる理由は、こちらにて解説しています。

うちの嫁も、「設定にはツッコミ所多かったけど、すごくドキドキできたし、爽快だったし、結構好きだよ」と案外気に入ったご様子。
たしかに僕も、小柄な妻役のジャニュアリー・ジョーンズがしっかり構えて悪役を仕止めるシーンとか、すごく好きですね。

「映画評論家」には人気が無くとも、観客は案外楽しんでいるものです。
細かいところは水に流して、ドキドキと“ニコラス・ケイジ”を楽しむのも、アリかもしれませんね(^^)

そうそう、最後に一言。

Hungry rabbit jump.

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