僕が『大統領の料理人』を楽しみきれなかった3つの要素/ネタバレ感想

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いい映画だったなぁ、面白かったなぁとは思うのですが、
正直に言うと、もう一歩踏み込んだ感動を得たかったと思ってしまいました。

なんというか、頭ではいい話だとわかるんですが、心の深いところに刺さってこなかったというか…。
この映画はもっとポテンシャルを秘めていると思うのに、なぜなんだろう…

いろいろ考えた結果、僕がこの映画を楽しみきれなかった原因に3つ思い当たりました。

1.時代背景がいまいちわかってなかった

まずひとつ、僕は現代の話のように勘違いてたんですけど、これ30年以上前の話なんですね。

これは僕の注意不足で、勘のいい人は当然のように気づいていたでしょうし、もしかしたら冒頭に年号の表示があったかもしれません(ちょうど映画の冒頭あたりで、うちの子供に話しかけられていたので見逃していたかも…)
ただ僕は、なんとなく「最近の話」と思いこんでいました。

日本を舞台にしていれば服装のセンスや街の風景、髪の毛のボリューム感なんかで「ああ、少し昔の話なんだな~」って解るのですが、いかんせんパリのことはわからん。
ちょっとぐらいオールド感あっても「パリだからこんなもんかな」と思っていました…(笑)

でも、よく考えたらネットも携帯も登場してなかったよね!いくらパリとはいえ!

とにかく、30年前という認識がなかったせいで、僕はこの映画の舞台は「女性差別が平然と存在していた苦難の時代」だと気づかなかったのです。
男女共同参画が日本より進んでいるフランスとは言え、やはり30年前。女性にとって当たり前のように差別されていた時代でしょう。

もちろん僕も「主人公、かわいそうだなあ」とは(のほほんと)思っていました。
でも、30年前の女性差別の時代を生き抜いてきた人たちにとったら、主人公だけの話じゃなくなってきますもんね。思い出がオーバーラップしてもっと心に迫ってきたんじゃないでしょうか。

余談ですが、「シンゴジラ」が海外でウケなかった理由の一つに「ゴジラ対応と福島原発問題がオーバーラップしてこなかった」という点があるそうです。
バックグラウンドを“体感”しているかどうかは、映画の感動を大きく左右します。
理解だけでは足りないのです。

2.大統領の素顔が響かなかった

映画にでてきたミッテラン大統領、実はフランス人にとっても人気がある方だそうです。

フランス人1000人を対象とした調査で『戦後のもっとも偉大な大統領は?』との質問をしたところ、1位はシャルルドゴール(35%)、2位がミッテラン大統領(30%)、3位がシラク大統領(7%)だったそうです。
事実上、シャルルドゴールとの2強ですね!日本の総理大臣だったら小泉さんでもまるで敵わないレベル。

そんなフランス人に絶大人気を誇るミッテランですが、僕は正直なところ全く知りませんでした。(聞いたことくらいはありますが。)大統領なんだから偉い人だってことはわかるし、映画を観てるといい人そうとは思うんですが。実在の人物だったよね?というレベルで。

これが、フランス人にしれみれば、ミッテランが田舎の母親がつくるような料理が大好きだったり、ミッテランこっそりトリュフをつまみに厨房に現れたり、ミッテラン料理本の書き出しを暗唱し出す秘蔵エピソードの数々は、たまらなくチャーミングに映ったことでしょう。
今まで長年尊敬してた人の隠れた一面!かわいい!

でも、残念ながら僕は、そこまで感動することができません。しかたないです。。

3.料理が響かなかった

料理をテーマにした映画で、これは致命的でした。僕にはこの映画の料理がまるで響かなかったのです。

ただ、これに関しては賛否両論だとおもいます。「あんな美味しそうな料理が響かないなんて馬鹿舌か!カップラーメン食ってろ!」とお叱りをうけそうな気もします。

いえ、もちろんとっても綺麗だったし、きっとすばらしく美味しいんだとは僕も思いましたよ!
ただ正直…、どれひとつ、どんな味かまるで想像できなくて…( ´・ω・)

この予告編の1:00辺りから色々な料理出てきますが、どんな味か解りますか?

もちろん僕がフランス料理(しかも、おばあちゃんがつくるような家庭料理)に疎いだけで、日本にいてもああいう料理に親しんでいる方もいるのかもしれません。

でも、僕には食材レベルで想像がつきません。映画の中で重要なポジションをしめていたトリュフの凄さも全然知らないし…。

情けないことに、この映画の中で唯一味が想像できたのは、フランスパンでした…orz

映画『かもめ食堂』ででてきた焼きたてのシナモンロールやおにぎりでは「うわなにこれ絶対おいしいじゃーーーん!!!」と悶絶させられ、翌朝焼きたてパンのお店にいってしまいました。
それと比べると、どうも僕は『大統領の料理人』の魅力を十分に味わえたとは言えないようです。

まとめ

30年前のフランスの状況、ミッテラン大統領に対する好感、そしてフランス家庭料理への思い出があれば、もっとこの映画を楽しめたかと思うと、少し口惜しい気もします。
でも、しばらくフランスに滞在した後にこの映画を観たら、また何か発見があるかもしれませんよね。

そういう意味では一つの映画で二度美味しい…と、前向きに考えることにします(笑)

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コメント

  1. ハッピーエンドシンドローム より:

    私もこの映画、いまいち共感できませんでした。3つの原因を拝見して、なるほどねーと思ってしまいました。
    あと私個人としては、主人公の女性の、料理にかける思いの動機、がよくわからず終わってしまい、共感できなかった記憶があります。主人公のこれまでの人生、料理に情熱を注ぐ動機があまり描かれてなかったような記憶が、、、。その辺の説得力がなかったので、ふーんで終わってしまった。おフランスのお洒落な雰囲気と美味しそうな料理の予告編に完全にだまされました笑。

    • hibino-cinema より:

      コメントありがとうございます。たしかに、お洒落な予告編でしたね(笑)
      この映画をみてしばらくしてからピクサーの「レミーの美味しいレストラン」を観たとき、「フランス料理界はいかに男社会か」を力説している描写がありました。その辺りの背景も関係しているかもしれませんね。
      よくあるトラブルではありますが、自分たちにとっては当たり前でも、違う文化の人間には通じづらいものなんですね…