大統領のスキャンダルを誤魔化すために、戦争をでっちあげちゃおう!
合成映像と嘘ニュースで国民の目を欺こう!というギャグみたいな作戦を大まじめにやっている傑作です。
政治を皮肉ったブラックユーモアが炸裂しまくってて、なかなかすごい映画ですよ…
あらすじ
次期大統領選挙を目前にして発覚した、現大統領のセックス・スキャンダル。大統領直属の“もみ消し屋”ブリーンは、大衆の目をこのスキャンダルからそらすため、ある計画を思いつく。それは、ハリウッドの大物プロデューサーを雇い、架空の戦争をでっちあげるというものだった……。
yahoo映画より
予告編
70点
いやもう、なかなかブラックな政治ネタが多くて、俺こういうの大好き。
たとえばスキャンダルの内容が「ホワイトハウスの中で、大統領が若い女の子と性的関係を持った」ってところとか。クリントン大統領の事件を彷彿とさせるというか、そのまんま狙ってるよね(笑)
ちなみに実際にビル・クリントンさんはモニカさんとホワイトハウスで不適切な関係に及んだことが発覚した後、アフガニスタン爆撃しちゃってます。
他には、戦争の大義名分のくだり。
大統領の依頼されたフィクサーは、アルバニア(どこ…?)と戦争が起こってることにして、それっぽい映像とニュースを流して国民を騙すことにしたのでが、当然ながらアメリカにはアルバニアと戦争をする(という嘘ニュースを流す)大義名分がありません。
そこで依頼された敏腕プロデューサーがさわやかに一言。
「よし、大量破壊兵器が隠されてるってことにしちゃおう☆(^^)b」
さらに風刺は続きます。
戦争の(嘘)ニュースにすっかり愛国心を煽られ、「U・S・A!U・S・A!」と盛り上がるアメリカ世論だとか。(911事件のあとのアレを思い出します)
さらに国民の好感度を高めるため、兵士が一人敵の捕虜になったことにして、その感動的な救出作戦をでっちあげたり。(ジェシカ・リンチ救出作戦かな?)
イラク戦争中の2003年、十九歳の可愛らしい女性兵士ジェシカ・リンチを含む小隊が敵の強襲を受ける。「彼女らは銃弾を撃ち尽くすまで一人奮戦するも、敵の捕虜になってしまった。」と報道されるが、それを否定する報道もされている。
特殊部隊の活躍で彼女は助け出される。その救出劇はニュースで大きく報道され、国民の戦意高揚に大きく貢献した。なお彼女は救出されたときに記憶喪失になっていたが、あるテレビインタビューをきっかけに回復し、直後に自伝を発表している。
なにこれあやしい…(´・ω・`)
こんな感じで、ブラックな政治ネタがいっぱいなんですが、なにがすごいってこの映画、1997年に公開されてるってことですよ!
つまりブッシュ大統領(2001~2009)の就任前ですよ!?
当然この映画が公開した当時はまだ「大量破壊兵器があったことにしよう♪」と戦争を始めるなんて誰も知りませんし!
「U・S・A!U・S・A!」の掛け声も、ジェシカリンチ救出作戦も存在していなかったわけですよ!
予言者かよ!!Σ( ̄■ ̄;
いやむしろブラックジョークそのままにイラク戦争を演出しちゃったブッシュ政権が
バカなのかよ!!Σ( ̄■ ̄;
オバマ大統領になって、アメリカ合衆国もだいぶ大人しくなったよな~って思ってたら今度はトランプ大統領かぁー…。
いや、僕も彼についてはyahooニュースレベルの知識しかないわけですが、なんか欲強そうですよね?
絶対4年間スキャンダル無しとか絶対ありえないよね?
三大欲求どころか三大性欲って顔してますもん。(偏見)
まあ一年はマジメに頑張るでしょうね。
そんでまぁまぁ無難に大統領こなせたら「お?俺もなんとか大統領いけるんじゃね?」ってなったら、もうダメっすね。
きっと女子アナのケツでもさわって、大問題になるんですよ。
当然そのときは、揉み消し工作に走るわけですが。最初はやっぱり財力だね。財は万能。札束であちこちをペチペチすれば割となんとかなるんじゃないかなぁ。
というかたぶん彼は既にやっt
でもどうしても揉み消せない時もでてくると思います。
その時はこの映画のように情報操作で誤魔化すんでしょう。
どこかの国や組織を無人機で爆撃するとかかな。
ただし、この映画のようにはうまくいかないでしょう。
この映画ではインターネットの活用がほとんど描かれていませんでした。なにしろ1997年当時は、少なくとも日本ではインターネットなんて一部のオタクのものでしたからね。アメリカもそう変わらないでしょう。
それが今はインターネットの普及率がやばいです。個人が誰でもネットで情報発信し、それを一般人が観ることができる…。時代は変わったもんですね。
僕はわりとインターネットデビューが早い方で1999年くらいにテキストサイトをやってました。
でもあの当時に「女子高生にとってネット上のコミュニケーションサイトは生活に欠かせないモノになるんだよ。暇さえあれば携帯端末でアクセスするんだよ」とか言ってるやつがいたら確実に笑い飛ばしてましたね。
そういや昔、ゲームボーイがカラーになるって言ってた川本君を嘘つき呼ばわりしてたなあ。
川本、あの時はすまんかった。
話がずれました。
今のご時世、ネットの力がまじハンパねえよ!ってことです。
もし今この映画のような『アルバニア作戦』を実行しても…
「アルバニア住んでますけど、戦争なんかしてないですよ…?政府とマスゴミは何を言ってるんですか? いいね!8777789 RT6753445」
「アルバニア在住だけど質問ある?」
「アルバニア情勢のうそっぱちまとめ」
ハイ終了!あっさりバレましたー!大統領の好感度さらにさがりましたー!
それに女性スキャンダルの揉み消しも一層大変になります。札束で叩く前にツイートされたらその時点でアウトです。
トランプちゃん大丈夫?ちゃんと分かってる?
あるいは札束ペチペチのスピードとキレに磨きをかけて自分を貫くのでしょうか?(ありそう…)
それともネットの口コミの力を逆に利用し、ステルスマーケティングで自分の好感度をあげる手法をとるとか…(やりそう…)
ううむ。
彼が大人しくしてくれる未来が、想像できないなあ…
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さて、映画の話に戻りましょう。(本来そういうブログです)
この映画、マイナーではあるのですが、キャストがやたらと豪華なのが特徴です。
大統領に緊急召集された揉み消し屋にはロバート・デ・ニーロを、
嘘ニュース、嘘動画のプロデュースをするために依頼したハリウッドの敏腕プロデューサーにはダスティン・ホフマンを起用。
おお~、豪華ですな~。
二人の名優を起用したおかげで、「アルバニア作戦」の説得力がすごいです。これを狙っていたのかなー。
奇想天外な作戦だけど、なんか上手くいきそうな気がしちゃうんです!
これが若い俳優だったら、もうダメですね。
今売り出し中のジャ●ーズの子とか出して「実は彼、○○大学を首席で卒業したIQ180の天才で…」とか言ってね。
そんでたぶん顔が無駄にかっこよくて偉そうで性格悪いんだよね。
うわあ…日本の映画界そんなのやらかしそう…。
その点ロバート・デ・ニーロとダスティン・ホフマンの信頼感はすごいです。
二人が真剣な顔で
「逃げまどうアルバニア人の動画とか作って流そう」
「じゃあ、猫を抱いてるとかどうかな?」
「それより子猫がいいよ、子猫っ(≧▽≦)」
とか議論してても、
「細部に渡って印象操作に気を配るなんて、さすが…!」ってなっちゃうもん。
二人ともオーラすごいもん。
映画の結末は、なかなかブラックジョークな終わり方でした。
マスコミに踊らされる国民、国民に踊らされる大統領。
映画の中のことだと笑い飛ばせない辺りが、なんともブラックだと思いました。
うん、嫌いじゃない!
ジェシカ・リンチ救出作戦について、ついに本人が沈黙を破った…!
なんか星新一さんのショートショートを彷彿とさせますね