リアル五歳児を育てている僕らが映画『ルーム』を観たネタバレ感想。

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room

現在、5歳の男の子(とその下に二人)の子育てで日々悪戦苦闘している夫婦二人で、映画『ルーム』を観てみました。その感想です。

※ネタバレを含みますのでご注意ください!

僕「すごい精神的にくる映画だったね…」

嫁「私、衝撃が大きすぎて…(放心) 感動とかラストとかより、とにかく怖かったよ…」

緊張と不安がハンパない!!

僕「映画の途中、ボロボロ泣いてたよね?」

嫁「うん、脱出の途中だよね。ほんとに怖かった…。」

僕「たぶん予告編だとかパッケージの裏とか観てれば、無事に脱出できるって想像ついたんだろうけど、そういう前情報全く観なかったもんね」

嫁「うん、脱出失敗するかもしれないって観てたから、緊張しすぎて…。」

僕「緊張感ハンパなかったよね。だって5歳だよ?うちの子と同じだよ?

嫁「そう!完全に感情移入しちゃって。5歳の子供に一人で死んだ振りさせて、知らない場所で助けを求めさせるとか、こわくて観ていられなかった…。もうダメかと思った…今までで一番怖い映画だったよ…。(←思い出して半泣き)」

僕「うちの子も、一人で外出どころか、お留守番だって一人でさせたくないもんね。それがいきなりあんな、命を懸けたミッションとか絶対無理。」

嫁「あの子にあんなことさせるって想像するだけで…怖くてできない…」

僕「うちの子も保育園の学芸会とかは出来てるし、セリフ言うだけなら出来そうだけど、ああいう緊迫した状況 で打ち合わせ通りに動けるかはまた別の話だよね。うん、やっぱり無理だ…。」

嫁「うん。ジャック君は5歳にしてはだいぶしっかりしてると思う。」

僕「現実の5歳児はクレヨンしんちゃんとは違うんだよね。一人でなんでも出来るわけじゃないんだよ…」

嫁「緊張したせいか、パトカーに乗ってた婦警さんの頼もしさに感動しちゃったわ(笑)」

僕「たしかに!仕事できるお姉さんだったよね」

嫁「『天窓がついてる?それは大事な情報よ!』 『3回減速したの?だいぶ特定できたわ!』 『○○通りまで三回一時停止、納屋のある家よ。衛星写真で赤いトラックがあるかもしれないわ!』って。すごい勢いで特定してくれたもんね」

僕「それに比べて、運転席の男性警官の頼りなさw」

嫁「ほんまそれw」

僕「『変な子だなあ』『宗教とかじゃね?』とかのんきすぎやろ!」

僕「お母さんが助かるかどうかも分からなかったから、すごい怖かった。緊張でやばかった。」

嫁「私、手紙が犯人に奪われちゃったのみて、絶対お母さん殺されると思った。」

僕「え、手紙奪われてた?俺気づかなかったや。」

嫁「うん。トラックから降りて、犬を散歩させてるおじさんに手紙を差し出して助けを求めたけど、犯人に無理矢理奪われちゃってた」

僕「あー…、手紙を差し出すとこだけうっすら覚えてる」

嫁「私、犯人が助けを求める手紙読んじゃって、怒りのあまりお母さんを殺しちゃうんだって思ったもん」

僕「僕もお母さんは怒りのあまりか、証拠隠滅のために殺されるのかもって思ったよ。まあ今にして思えば、犯人も犯行が発覚した後わざわざ家に戻るより、逃げてしまう可能性が高いんだろうけど。」

嫁「あの時はもう、ただただ怖かったよ。」

僕「でもお母さんは、自分が殺されてしまうことも覚悟の上だったのかもね…。そうでなくても、自分だけは閉 じ込められたままで、一生会えなくなる可能性はあったんだし」

嫁「それでも、子供をずっとあの中に閉じ込めておくぐらいなら、喜んで犠牲になるよね」

僕「そういえば、犯人が死体の振りした息子を運ぶとき、庭の木を見上げたシーンあったよね。あれすごく緊張したわ」

嫁「あ、そんなシーンあったね」

僕「てっきりあそこで『大きな樹のそばに埋めてって言ったな』と理めちゃう、あるいはそこでバレちゃうんだと思わされてさ。まあ巧いフェイントだったんだけど」

嫁「なるほどね!私は緊張しすぎてフェイントに気づかなかった(笑)」

僕「もし犯人が樹をみあげたところでシーンが切り替わってたら、完全に失敗フラグだもんね。」

嫁「私は映画が終わってから、『二時間無かったの!?』ってびっくりした。」

僕「たしかに。もっと長かったように感じたな」

嫁「脱出するとき緊張しっぱなしで、それから放心状態だったから、二人とも救出された後『まだ物語続くんだ …!』って」

僕「あ、その気持ちわかる(笑)映画中盤ですでに精神力を使い切ってしまったかんじ。 でも後半もあってよかったよね」

嫁「うん」

親の気持ち

僕「こういうこと言うとヒドイ人間みたいだけど、俺、離婚しちゃったジョイのお父さんがジャックを直視できなかった気持ちもわかるよ」

嫁「ああ、食卓で喧嘩しちゃった場面?」

僕「うん。お父さんにとっては、娘を監禁してレイプした証拠みたいなもんだし、その犯人の面影を息子に感じたら、平静ではいられないと思う。しかもまだ初日。」

嫁「そっかあ…。もしこういう状況になったら、自分だったら受け入れられない?」

僕「もちろん受け入れるよ。それは理解している。でも、娘を長年閉じ込めてめちゃくちゃにされた怒りって想像もつかないし、それをきっかけに妻とも離婚してしまうわ、嫁には新しい彼氏ができるわで、自分自身の人生もめちゃくちゃにされた。そんな時に冷静な対応できる自信なんてないよ…※うちも1歳の娘がいます

嫁「たしかに、そうだね。お父さんの気持ち考えると、簡単には「子供に罪はないから」とか言えないよね」

僕「もちろん、どれだけ辛くても最後はジャックのために我慢しなきゃいけなかったとは思うよ。でも、お父さんだって事件の被害者なんだし、動揺もしてる。彼が心の整理つくまで少し待ってあげてほしかったかなあ。…いやでも、あの状態のジョイに他人を思いやる余裕まで要求するのはいくらなんでも酷すぎるよね…。」

嫁「それを考えると、お母さんの恋人が同居してたのは、最初は違和感あったけど結果的によかったんだね。事件の被害者じゃないからある程度落ち着いて対応できるし、実際子供の緊張を上手に解いてあげてたよね。2人でシリアルを食べるシーンが好きだなあ

僕「そうそう!まさにそれだね!相手を常に思いやりつつ、フラットな気持ちで接することのできる、ちようどいいポジションだもんね。お父さんは当事者だし、『事件の供述を拒否してやった!』って怒ってるシーンもあったしね」

嫁「長年の苦しみも溜まっているもんね。どうしても感情的になっちゃうんだろうね」

僕「その点お母さんは、まだ大丈夫だったね」

嫁「娘の気持ちや母性を理解してあげられるからじゃないかな。子育て経験したお母さんって子供が好きだし。」

僕「なるほど。自分だけ次の彼氏も出来たしね」

「そこ重要?」

僕「…そういえば、元嫁の新しい彼氏と食卓を共にするシーンには、だいぶびっくりした」

嫁「ああ、あれは確かに気まずい

僕「アメリカの映画ってたまにああいうシーンあるよね。俺には理解できない感覚だわ…。」

嫁「私も理解できないよ。離婚する家庭が多いからかな?」

監禁生活への想像

僕「誘拐されて監禁されて…っていうプロットは、前に貸してくれた『残虐記』を思い出すね」

嫁「あれは、新潟の監禁事件に触発されて書いた本なんだよ。やっぱりこういう事件があると、みんな興味を持つよね」

僕「あれも、監禁されてるとき相手に従順になる心理状態とか、脱出するときの心の動きとか、その後の生きづらさが上手に表現されてたね」

豚「うん、あの話も怖かった。あの作家はそういう複雑な心理描写がとってもうまいんよね」

僕「被害者の誘拐犯に対する微妙な感情が、グロテスクで印象深かったな。この映画だと被害者は一貫して誘拐犯に冷淡だけど、やっぱり『監禁されてその人としか交流できない日々を過ごすうちに、異常な心理が芽生えるのでは』って気になるとこではある」

嫁「私としては犯人に好意を抱くなんて、到底信じられないんだけどね。」

僕「主人公のジョイはすごくしっかりしてたよね」

嫁「うん。あんな密室に二人きりで、ちゃんと子供を育てたのは凄いことだと思うよ」

僕「まあ、映画の描写はフィクションだからね。実際の事件じゃ、もっと体の成長とか会話とか知能の発達で、 歪みが出てきてると思う。」

嫁「そういえば、ジョイが密室で勉強や運動を教える際のリアリティがすごいなあって感心したな。 普通、映画やドラマで『親が子供に何かを教える』ってシーン、どうも嘘くさいというか過剰に演技臭くなるん だよね。今私、良い母親してるで!って下心がバレバレでさ」

僕「『はーい、今からお勉強しようね★』みたいな?」

嫁「うん、そうそう!でも、この映画はすごく自然で、「ああ、日常的にこうやって勉強させたり運動させたり してるんだな」って受け入れられた。そこがすごいと思った」

僕「は~、なるほど。言われてみれば確かにそうだわ。」

嫁「普通母親は、あんな感じなんやで

僕「リアル母親だからこその視点やな」

嫁「でも、17歳とかで誘拐されて8年も監禁って、ほんと悲しい話だよね。私だったら、絶望して気が狂うよ。」

僕「うん、そうだよね。でもたぶん、子供がいたから、自分が気が狂ってる場合じゃないって必死だったんじゃないかなあ」

嫁「たしかに、子供の存在は大きいね。もし子供と一緒に監禁されたら、絶望とかしてる暇ないもん。どうにか まともな環境を用意してあげようって必死になるわ。最初は監禁されてる映画って知らなかったから、ケーキに ロウソクがないって駄々こねるシーンで『それくらい買ってあげたらいいのに』って思ったけど、今考えるとすごく胸に来るシーンだわ」

僕「あとさ、髪の毛を贈られて『またあなたに救われたわね』っていうシーンさ、普通に考えたら脱出のことな んだろうけど、もしかしたら『監禁されて気が狂いそうだったけど、あなたが産まれたから前を向いて生きれるようになった』って意味なのかなとも思った」

嫁「ああ、なるほどね。そういう解釈もいいね」

好きなシーン

嫁「私は、カップケーキつくりながら『おばあちやん大好き』っていうシーンが、すごく好きだわ。
唐突にも思えるけど、実際ああいうタイミングで言われるとぐっとくるのよね。今までの苦しんだこととか、悩んだこととか、全部報われる瞬間だよね」

僕「俺はラストシーンが好きだな。息子が“ルームに別れを告げた後、母親も小声で“バイバイ、ルームっ て呟いたとこ。 あれ、監禁されてたことをただただ『呪われた忌まわしい日々』って封印してたけど、『つらい思い出だけど、息子と暮らした日々は本物』って認識できた瞬間なのかなって思った。だからこそ次の一歩を踏み出せるというか。」

嫁「うーん、私は監禁生活を肯定的にとらえるって、どうしてもできないかな。あれは『息子が言えって言ってるし、一応ここまで育った恩もあるから』ぐらいのつもりで、むしろ監禁生活に完全に別れを告げられた描写なんだって思った。」

僕「ああ、その解釈もわかるかも…。僕の感想は若干『残虐記』とか『八日目の蝉』に引っ張られてるかもね。 でも、最後の“ルーム”に背中を向けて、二人で手をつないでゆっくり歩いていくカット、再生の象徴みたいでよかったよね。」

嫁「うん、そこはすごくよかった。衝撃的な映画だったけど、最後はホッとできてよかった」

おわりに

僕「すごくいい映画だったけど、今すぐ薦めるより、僕は子供が出来てから観てほしいと思ったな。」

嫁「私はむしろ、衝撃が強すぎて、子育てしてる人には気軽に勧めにくいかな。今まで観た映画で一番怖かったもん。」

僕「怖いのはわかるけど、映画中目をつぶるのやめなさい」

嫁「だって…(´・_・`)」

モデルとなった実際の事件、『フリッツル事件』の詳細。

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