12モンキーズ/老人と追尾装置の謎をネタバレ考察!

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近未来、世界は細菌テロにより人口の99%を失う。人類は地下都市に潜り、辛くも生き延びた。しかし人類は地上を諦めたわけではなかった。コールと呼ばれる囚人は、恩赦と引き換えに科学者たちからひとつの指令を言い渡される。それは時間転移装置を使い、過去に飛ぶことだった。コールはたった一人で、“12モンキーズ”と呼ばれる、細菌をばら撒いた集団を追いかけるが…。





予告編

70点
謎の多い映画。
この映画を一言で表すならこの言葉がふさわしい。
僕は最初“12モンキーズ”なるテロ組織に、囚人コールが挑むアクション映画じみた展開を想像していました(なんてったって囚人コール=ブルース・ウィリスだ!)。ところが、映画が始まるとどうも勝手が違う。相手は謎、どこにいるかも謎、本当にいるのかすら謎。囚人コールが挑むのはまるで雲を掴むような戦いです。

それにしても、“謎の集団”と“細菌テロ”がこんなに相性がいいとは!
軍事テロや核兵器なら、大きな軍事力や資金力、人員を確保する必要があります。それだけの規模になると完全な“秘密組織”というのは無理があるんですよね。

ところが“細菌テロ”だったら、どこかの寂れた研究室、それこそ一人のマッドサイエンティストがいればなんとか出来そう。たとえば一般市民の振りをした少人数の仲良しグループだろうと、証拠すら残さず、世界規模の災害を引き起こすことが出来る。
まさに完璧な、“謎の集団”です。

前半のもやもやした焦りと、終盤の謎が解明していく爽快感。なによりこの映画の一番の魅力は、全ての謎が解き明かされるわけじゃない“モヤモヤ感”です。
一見、すっきりと終わったように見えて、ふと伏線が残されているのに気づきます。果たしてアレはどういう意味なのか、ラストカットのあの人はなぜ…!?

映画は終わったのに、頭は謎解きにフル回転。
喉が渇いてしかたないように、情報を求めて繰り返し映画を観たり、ネットを彷徨ってしまう…。うーん、完全に“謎”に毒されてますね(笑)
“謎”の魅力、そして切ないラストが忘れられない一本です。

以下ネタバレ考察


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まず、ラストカットで飛行機に座っていた女医はどういうこと?コールが死んで、これはバットエンドなの!?というラストに関する謎。

これは「細菌を入手せよ」という未来人の指令がヒントになっています。
これ、おかしいですよね。普通は「入手せよ」じゃなくて「テロを阻止せよ」だと思うんです。これは未来人たちが、テロを阻止するつもりがない証拠です。

つまりはタイムパラドックスです。
もしもテロを阻止することが出来たら、当然その後の未来は大きく変わります。人口の99%が死滅することも無くなり、地下にも潜らず、当然コールを過去に送り出すことはなく…。あれ?するとテロは阻止され無い??
時間の流れを大きく変えると、矛盾が生じるのです。

だから未来人がとった戦略はこうです。
未来に影響を及ぼさないように、過去に起こったテロは阻止しない。99%の人口減も受け入れる。しかし、細菌株を入手することで対抗策を研究し、未来世界において、地上の浄化を開始する。
コールはテロを防ぐために戦いましたが、上層部はそれを望んでいなかったのです。99%の人類を見殺しにする策にも見えますが、タイムパラドックスを考慮すると彼らも責められません。
かくして、コールは命を落としてしまいましたが、細菌株を持った犯人に女医が接触しました。そして女医が細菌のサンプルを入手すれば、ミッションコンプリートというわけです。

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もうひとつ僕が気になるのは、ずばり、コールのことを「ボブ」と呼んでくる老人と、頭の中に響く声、そして「追跡装置」のことです。
結局最後まで正体が語られることはありませんでした。果たしてあれは一体なんだったのでしょうか?!

妄想説:

まず現在ネットで定説となっているのがこちらです。ボブと呼んでくる老人はただのイカれた浮浪者で、頭の中の声はコールの妄想だ、という説です。たしかに大きな破綻はありません。「全ては妄想だった」の一言はある意味最強の切り札ですからね…。

しかし、どうも気に入らない。落ち着きが悪い。こういう謎はストンと腑に落ちる説明が付いてほしいもんです。
そこで、全くの妄想ではなく、「子供時代に老人と偶然出会ったことがあり、その時に言われた『監視されているぞ、ボブ』という言葉が心の奥に刷り込まれていた」というのはどうでしょうか。それが過去の情景を見たことでフラッシュバックして妄想のように…。
それならばいくらか納得できる気がします。

女医黒幕説:

ラストカットに未来人女医が登場したのに驚き、瞬間的に閃いた仮説です。ネットで定説となっている「女医=コールが失敗したときの保険」説とは異なり、女医が未来人科学者たちを裏切っているのではないかと。
一番の根拠は、歯に追尾装置を埋め込むことができる人物は誰かという疑問。当然コールの体を管理していた未来人の女医ですね。
そうなると「救済保険業」という言葉も、人類滅亡のような災害時に、金銭的な利益を得る構造を仄めかしているようにも思えます。

うーん、自分で考えておいてアレですが、どんでん返しの根拠としては少し弱いですね(笑)

追尾装置説:

そこで新しく提唱したいのがこの仮説です。実は、老人の言うとおり『歯に追尾装置が埋め込まれていた』。何かの陰謀ではなく、本当に『追尾装置』として、未来人科学者たちが埋め込んだのです。
なにしろ時間旅行は、行って帰ってこなくてはなりません。行くときは転送装置の中に入ればいいのですが、転送装置の無い過去から帰るときはどうするのでしょう?その時に座標を特定する役割を果たすのが『追尾装置』だというわけです。

え?じゃあコールも歯抜いたらだめじゃん!帰れないじゃん!と思うかもしれません。
その通りです。

おそらくコールが歯を抜いた時点で、未来人サイドは「彼は未来に帰れなくなった」という判断を下しました。そして仕方なく、功労者であるにも関わらずコールを見捨て、『コールが射殺されることでパラドックスが回避される』というプランを採用したのです。
(この仮説では、ホセの「バカだな 歯を抜くなんて」というセリフが意味を持ってきます。彼はなぜ歯を抜いたことを知っていたのか?その直後、ホセは射殺の原因となる銃をコールに手渡します)

そしてあの老人はなぜ追尾装置であることを知っているのか?
それは彼が「以前に送り込まれた時間旅行者」だからです。
言ってましたよね?何人も送り込んだが失敗してきたって。その一人です。
彼は現代に来た後、歯を抜いて帰れなくなった未来人というわけです。
時間旅行は精神に負荷を与えるようなので(タフなコールも混乱していました)、精神的に弱い人間ならあの老人のように錯乱してしまっても不思議ではありません。そして陰謀を疑い、装置が入った歯を抜いてしまった、と。
あるいは、現代に留まりたくて自らの意志で歯を抜いた可能性もあります。空気、おいしいですもんね…。
(その場合、未来人科学者たちがコールに歯が帰還装置だと教えなかった理由もわかります。勝手に現代に留まる方法を教えるようなものだから、内緒にしたわけです)
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どうでしょうか。追尾装置説に「子供時代に老人と偶然出会ったことがある」という仮説を組み合わせれば、色々と説明がつきそうです。映画の中に証拠がでてこないので想像の域を出ませんが、なんだか説得力がありそう?!と一人嬉しくなってしまいました。

こうした想像を楽しめるのもこの謎深い映画の醍醐味かもしれませんね。

↓アメリカではドラマ版も出てます








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