僕「いやー、どうだった?俺、正直物足りなかった。ラストはもっと感動的なのを想像してたというか」
嫁「私は結構楽しかったよ。特に中盤はどうなるんだろーってドキドキしながら観てた」
子供たちについて。
嫁「私は双子の子供たちがすっごい印象に残った」
僕「まぁ、俺ら子育て世代だもんね。びんびんきちゃうよね」
嫁「お母さんがさ、ジェイソン?だっけ?が死んじゃったときに、『お母さんは弱いから一緒に暮らせない』って言ったじゃんね」
僕「うん」
嫁「あれ、素直に『薬物依存を治療する施設にはいるから』って伝えてあげてほしかったよ…。ああいう曖昧な言い方はひどい!」
僕「たしかに。あの言われ方だと『お母さんに見捨てられた』『なんで…』って誤解しちゃうよね。あの子も賢い子だから解ってくれたとは思うけど…」
嫁「子供だってちゃんと理解できるんだから、変な誤魔化しはやめてほしい!」
僕「うん」
嫁「事故のシーンも、ホント悲しかったなぁ」
僕「取り残されたマーカスもみていられなかったね。うちの兄弟(5歳&もうすぐ4歳)も双子みたいに毎日一緒に遊んで、超仲良しだもん。他人事には思えなかった…」
嫁「ほんまそれ。もし長男くんが死んじゃったら、次男くんどうなっちゃうか…」
僕「うまれてからずっとお兄ちゃんと一緒に遊んでるんだもんね」
嫁「うん。お兄ちゃん抜きの毎日とか考えられないと思う。保育園でもお兄ちゃん抜きで友達と仲良くするのも苦手そうだし…。」
僕「そこはまあ、追々うまくなってくやろ(笑)」
嫁「ホントに幸せな時とか子供の寝顔見てる時って、悪い想像ばかりしちゃうよね。もし子供が死んじゃったらどうしようって。」
僕「わかるわー。幸せすぎて死亡フラグに感じちゃうみたいな」
嫁「それそれ」
僕「俺、長男が産まれてしばらくは、
『実は出産の時に子供は既に死んでて、悲しみのあまり息子が生きている妄想をしてるだけなのでは…!』
(※出産直後数分、息子は呼吸がとまっていた)
って想像するときがあったよ(笑)」
嫁「そんなん考えてたんや(笑)」
僕「いや、子供が呼吸してなかった時は本当にもうダメだと思ってたもん…。どうやってお前に伝えようかと…。」
嫁「全然気づけへんかった。出産で全てを使い果たしてそれどころじゃなかったわー…」
僕「映画でも、子供を失ったお母さんの悲しみを思うと、想像を絶するな」
嫁「私やったら立ち直られへん…」
マット・デイモンは嘘をついたか?
僕「マット・デイモンが、最後にマーカスに能力使ったやん。そんで『あ、離れていく』って言った後に、『あ、戻ってきた!』って言ったじゃんね。
やっぱりあれ、嘘だったのかな」
嫁「私はあれ嘘じゃないと思う。あるレビューに書いてあったんだけど、『この映画のテーマに関わることだから、あれが嘘だとは絶対認められない』って。」
僕「テーマ?」
嫁「うん、『人は今自分が出来ることしかできない』ってテーマ」
僕「ん?ちょっとよくわからんが…」
嫁「たとえばフランス人のジャーナリストは、政治家の記事の執筆ができなくて、臨死体験のこと書いちゃったでしょ?あれはその時、本心で本当に書きたかったことは臨死体験のことで、結局自分の心に従うと、それしかできなかったんだよ」
僕「それを肯定的にとらえようってこと?」
嫁「うん、結果的にジャーナリストは、自分の本音を貫いて、紆余曲折会ったけど幸せをつかめたわけだし。マット・デイモンのことも、正直に能力の結果を伝える不器用な人だって、ずっと描いてたやん。『そんな器用に嘘をつける人間になったら、なにか違う』ってこと。」
僕「まあフランス人の例は解るけど、マット・デイモンには当てはまらなくないかな?むしろあの時の表情は、本心からこの少年を助けてあげたいって焦ってるように思えたよ。むしろ不器用で、一生懸命というか。」
嫁「ふーむ」
僕「俺は、むしろあれは嘘だったし、転機だったんだと思う」
嫁「転機?」
僕「考えようによってはさ、マット・デイモンって正直すぎたんやないかな」
嫁「どういうこと?」
僕「今までは能力で見えたことを全部正直に話してたやん。でもそれって不器用すぎなんだよね。ああやって嘘をついてあげる優しさって大事やで」
嫁「ふむふむ」
僕「だからマーカスに嘘をついて幸せにしたことをきっかけに、『能力で見えたことを、必ずしも正直に話す必要はないし、その方が周りを幸せにできる』って無意識に気づいたんじゃないかな。処世術というか。」
嫁「あのシーンで学んだってこと?」
僕「うん。だからあのシーンはさ、たぶんマーカスにとってだけじゃなくて、マット・デイモンにとっても、生きづらさから解放された瞬間なんだよ。」
嫁「正直にいったせいで、恋人候補にもふられたもんね」
僕「あえて本当のことを言わないことで、周りとうまくやっていける。恋人ができてもきっとうまくやれる。それがラストのフランス人の描写に繋がってるのかもね。…深読み過ぎかもしれんけど」
嫁「でもさ、なんでいきなり嘘をつく気になったの…?今までの相談者も、基本かわいそうな人ばっかりやで。身内を亡くしてるんやから」
僕「えっと…子供だったからついかわいそうで、とか…」
嫁「……」
僕「ま、まあ、描写が不足してる感じはある」
嫁「でも納得はできるね」
フランス人ジャーナリストを描く理由
嫁「私がそのレビューが良いなと思ったのは、フランス人のジャーナリストを描いた理由が納得できたからやねん」
僕「たしかに。彼女の存在が謎や。なんで登場させたんや。マットデイモンとマーカスだけだったら上手にまとまってたかもしれん。」
嫁「でもあの女の人単体で考えると、いろいろ悩んで、最終的に救われたストーリーではあるんよね。フランスでは地位も信頼も恋人も失ったけど、イギリスに渡ってちゃんと読者も得てさ」
僕「なるほど。彼女を通して『人は今自分が本当にやりたいことしかできない』けど『でもそれを頑張れば本当の満足を得られる』ってテーマを描きたかったのかもね。それは理解できる」
嫁「そうそう」
僕「もしかして色んなテーマをはらんだ群像劇っぽくしたかったのかな。俺は彼女とマット・デイモンの絡め方がしっくり描けなかったのが残念に思うよ。」
嫁「たしかに、ラストは物足りひんかったし、テーマとかわかりにくかった」
僕「最後のマット・デイモンと結ばれるイメージが本当だとしたら、彼女にとっては究極の理解者を得たってことのなるよね。それを考えれば彼女にとってこの上ない救いではあるか。」
嫁「せやな」
僕「…ちなみにさ、恋人失ったって言うけど、自分から捨ててたやん?」
嫁「は?(゚Д゚)」
僕「いやほら、『あの女と寝たの?』って言って、肯定してないのに勝手に浮気扱いして…」
嫁「は?あんなもん黒やん。真っ黒黒やん。浮気してへんならそう言ったらいいやん」
僕「いやでも…してるとはいってな(ry」
嫁「あの挙動不審さ見たらバレバレやわ!!!」
僕「はい…」
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僕「そういえばさ、ちょいちょい商品名が大写しになるシーン多くなかった?(笑)
ジェイスンがコカコーラ飲んだり、
ジャーナリストが採用されてたブラックベリー(携帯会社)のポスターとか、
なぜかロゴごと飛行機うつすシーンとか。」
嫁「大人の事情やね」
僕「映画作りもお金かかるもんな。。」