子供がゲームに夢中になっていると「勉強して欲しい」「ゲームばかりしないでほしい」「もしかしてゲーム中毒?」と思ってしまう気持ちはとてもよくわかります。
僕自身がゲームにのめり込む性格なこともあって、子供には(7歳現在)未だにゲームを与えるのは躊躇しています(^^;
しかし、ゲーム中毒になる子とそうでない子は何が違うのでしょう?
親としてはどういう対策を取るべきなのでしょう?
気になって調べたことを簡単にまとめておきます。
そもそもゲーム中毒とは?
「ゲーム依存症」あるいは「ゲーム障害」は立派な精神疾患のひとつです。俗に言う「ゲーム中毒」も、ほとんど同じ意味と考えていいでしょう。
ただし、親がイメージするような「ゲームが大好きで一日中やり続けている」だけではゲーム障害とは言いません。
ゲーム障害の定義
以上が概ね1年以上続く場合に、「ゲーム障害」と診断されます。
僕自身もかなりのゲーマーで、勉強や睡眠時間を削ってゲームにのめり込んだ経験もあります。(=①ゲームをしたい気持ちがコントロールできない)
「ご飯だよー」って言われてもすぐに止めなかったり、「いいとこなのに!」とイライラしたりもしたなあ(^^;
しかし、三度の食事や人と会う予定を削ったりはしませんでしたし(≠②日常生活よりゲームを優先する)、成績が大きく下がったり受験が近づいたりしたら自分で「ヤバイ」と思ってゲームを遠ざけました(≠③問題が起きてもゲームを続ける)。
そういう意味で僕はゲームに熱中することはあっても、ゲーム障害ではなかったと言えます。
僕自身の経験から考えれば、未成年において『ゲームをしたい気持ちがコントロールできない』『晩ご飯だからゲームやめさせると不機嫌になる(でも食べる)』くらいはわりとありふれた現象なので、ある程度は気にしなくても大丈夫と思っています。
では、どういう子がゲーム障害・ゲーム依存症になりやすいのでしょう。
ゲーム障害になりやすい子
年齢が低い子
これは①ゲームをしたい気持ちがコントロールできないに繋がります。
年齢の低い子供ほど、理性で自分をコントロールすることが苦手です。
小学一年生と社会人と比べた時、「30分静かにしましょう」と言われてどちらがウルサくなるか…明らかですよね(笑)
心がけがどうとか、親との約束がどうとかいう以前に、小さな子供は脳の「衝動的な行動を抑える機能」が発達していく途中なんです。だからゲームに限らず、「ついやってしまった」という事態が起こるんですね。
親が自由放任タイプ
これも①ゲームをしたい気持ちがコントロールできないに繋がります。
子育てにおいて子供の自由意志を尊ぶのは非常に大切ですが、一方で誘惑にずるずると負けている時、誰もストップをかけてくれないというリスクがあります。
また、「両親が忙しくて不在」な場合も、同様にストップをかけられない事態を招きます。この場合、「構ってあげられなくて申し訳ないから」という引け目から、ついつい長時間のゲームを黙認してしまうケースもあるようです。
もちろん、どれだけ誘惑が強くても、本人が将来を考えて理性的な決断を下すのが理想です。それが真の成長にも繋がります。
ただし、ここ最近のゲームには後で述べるような理由から、10年前とは比べものにならない中毒性を備えているので注意が必要です。
ゲーム以外に問題を抱えている
ここが一番重要かもしれません。実はゲーム依存になる人の多くは、ゲーム以外に問題を抱えています。
理由は様々です。いじめ、恋愛、人間関係、成績、両親の不仲などなど。
これらの問題からの逃避として、ゲームの世界にのめり込んでいくのです。
彼らは楽しいからゲームをしているのではなく、寂しいからゲームをしているんです。
ただ、思春期の子供が抱えている悩みを両親が逐一把握できるかというと、それはちょっと難しいよなぁ…とも思います(^^;
出来るだけ気に掛けてやるとか、成績面でストレスを与えないとかかなぁ…
予防法
①ゲームをやり始める年齢/スマホを与える年齢を遅くする
もちろんいつかはゲームと出会うのですが、できるだけ子供が大きくなって、脳の「理性で判断する」機能が育ってからが理想です。
②一日のプレー時間、時間帯、場所を決めておく。
プレー時間はもちろん、「夜10時以降は禁止」「自室には持ち込まない」「自宅の外には持ち出さない」などのルール作りをしておくこと。
ただし、大切なのはルール作りにおいて子供の意見も尊重することです。
両親だけで決めて強制的に押しつけると、高校生くらいになって体が大きくなって反抗期が重なると、全く言うことを聞かなくなる危険があります…。
もちろん親も、食事中のスマホをやめましょう(笑)
③ゲームの種類に注意する。
子供の年齢が大きくなると難しいですが、ある程度ゲームの種類を把握しておくことも重要です。
果てしなく遊べるゲームなのか?ゴールがあるのか?中毒性は高い?
大まかに言えば、オンラインゲームは危険が高くて、オフラインゲームはまだマシということです。
④子供の意見に耳を傾ける
「プレー時間を決める」でも述べましたが、常に子供の意見には耳を傾けるべきです。
ゲーム依存になる原因のひとつに「ゲーム以外に問題を抱えている」があるように、子供の何気ない会話を常に「傾聴」してアンテナを張っておくことはとても大切です。
もちろん、(僕自身もそうでしたが)子供が親にいきなり悩みを話すことなんて滅多にありません。
それでも、いつでも自分の話に耳を傾けてくれる存在がいるというだけで、ストレスは大きく緩和されるものです。
⑤子供に感謝する、居場所を作る
最後のこれはどういうことか。
そのためにまずは現在のゲームの特徴を説明したいと思います
十年前のテレビゲームと、今のゲームは大違い
ここ十年ほどで、ゲームの世界は大きく変貌を遂げました。
インターネットとゲームが融合したことがその原因です。
いわゆるオンラインゲームやスマホゲームと呼ばれるものです。
①終わりがない
昔のゲームは終わりがありました。
ドラクエならラスボス、マリオならクッパ、信長の野望なら全国制覇という「終わり」がありました。
一方、オンラインゲームやスマホゲームには終わりがありません。
ゲームをプレイしてくれる時間に比例してゲーム会社が儲けれるので、決してゲームを終わらせないような、あの手この手の仕組みが用意されています。
毎月「新しいラスボス」「新しいダンジョン」「新しい最強武器」が追加され、(それがまた魅力的なんだ!)決してやり終わることがないんです。
②ランキングを下げたくない
最近のゲームには多くの場合「ランキング」が備わっています。
自分が世界ランキングでどの位置にいるかが、一目でわかるようになっているのです。
僕も二年ほど前、ネトゲで散々苦労して「ランク15」への昇格を目指していたものです…(笑)
これはゲームをやるモチベーションになるだけでなく、「ゲームを休むとランキングが下がってしまう」という縛りにもなってしまいます。
③ガチャの快感
特にスマホゲームで有名な「ガチャ」。
現実のお金や、ゲーム内のお金を消費して、ランダムで強力なアイテムが手に入るのです。
経験してない人には理解できないかも知れませんが、これでレアアイテムをひいたときの興奮はヤバイです…!
どうやらギャンブルと同様の快感だそうですが、まさにその通り。脳汁だばだばです。ハマってしまうのも無理はありません。
当時、僕がガチャで引きあてたレアカード。思わず叫び声を上げてしまいました(笑)しばらくはコイツだけで勝ちまくってたなぁ…
④ゲームの向こうに仲間がいる
オンラインで出来ることは「対戦」だけではありません。
チームを組んでの協力もあれば、そこから何気ない雑談が交わされたり、一緒に巨大な敵を倒したり、相手に感謝されたり。
基本的には文字メッセージのやりとりでの交流ですが、これ、すごく嬉しいんですよね。
相手もゲームのキャラクターを操作していますから、顔も格好良くて、つよくて、お洒落なんです、画面上では。
そんな人から「ありがとう、君の機転のおかげで勝てたよ!」「君がいてくれたからアイツを倒せたよ!」なんて言われちゃうと、そりゃあもう嬉しいわけです。
もしもリアルでそんな風に感謝されたことがなかったら…「あれ?俺ゲームの世界のほうが居心地良いいんじゃないか?」と思ってしまっても不思議ではありません。
その魅力に対抗するにはどうしたらいいんでしょう。
そう、現実世界に居場所をつくってやればいいんです。
学校や友人関係で居場所を作れるのが理想的ですが、さすがにこれは親の手には負えません。
それでも、家庭の中だけは別です。
親と子供の間だけで、いくらでも居場所を作ってあげられるんですから。
「家族はあなたを認めているよ」
「今日はありがとう」
そんな言葉をかけるだけで、子供はゲーム以外にも居場所があることに気づきます。
まずはそこから、初めてみてはどうでしょう。