映画「ムーミン谷の彗星」にも登場したジャコウネズミさん、ご存じですか?実は彼は「ジャコウネズミ」じゃない別の動物だったのです。それは原作の「誤訳」に端を発しています…。
そもそもジャコウネズミとはこんな動物です。
wikipediaより
- トガリネズミの仲間で、体長は12~16センチ。
- 体に臭いを出す分泌腺を持っていることから、「麝香」の名前を冠する。
- 生息地域は東南アジア。フィンランドにはいない。
- 親のしっぽに子供がくわえついて数珠つなぎになる「キャラバン行動」で有名。
キャラバン行動↓
あんまりムーミンのジャコウネズミさんとは似てませんね~。
それもそのはず、ムーミンのジャコウネズミさんはフィンランド後でPiisamirotta、英語でMuskratと書きますが、これは「マスクラット」という実在する別の動物のことなんです。
ところが、「musk」には「麝香(じゃこう)」、「rat」には「ネズミ」という意味があるため、翻訳するときにそのまま「ジャコウネズミ」と訳してしまったのですね。
だから彼は、ジャコウネズミじゃないにも関わらずジャコウネズミと名付けられてしまったのです。
マスクラットはこんな動物
- 体長約30センチ。ヌートリアのような姿をしているが、一回り小さい別の種。
- 沼などに生息し、植物を積み上げて、水の中に出入り口がある巣を作る。
- 毛皮の質がよく、それ目当てで狩猟されたり養殖されたりすることもある。
- 日本でも逃げ出した個体が野生化し、埼玉、千葉、東京あたりでみられる。駆除の対象。
危うしジャコウネズミさん! - 腹部に麝香のような臭いを出す腺があり、そこからMusk(麝香)の名前が付けられた。お前もかよ!
ムーミン谷のジャコウネズミさん。たしかにマスクラットに似ています。
テレビアニメ版ジャコウネズミさん。劇場版アニメのジャコウネズミさん。
いかにも不機嫌そうな感じがそれっぽい。「ムダじゃムダじゃ」。
パペットアニメ版ジャコウネズミさん。
巣穴で読書にいそしむジャコウネズミさん。
読んでいるのははドイツの哲学者オスヴァルト・シュペングラーの哲学書。
彼の代表作は「西洋の没落」。「西洋文明の本質は自然環境の破壊と人間同士の殺し合いであった」と西洋文明の欠陥を指摘し深く反省するひどくペシミスティックな内容。そんなのばっかり読んでるからおかしな所に入り込むんだよ…
貴重な本かと思いきや、意外とAmazonで買える。
なお日本語翻訳版では『すべてがむだである事について』と言う本を読んでいる。こっちはamazonでも買えない。ムダじゃムダじゃ…。
なお、ジャコウネズミさんの巣穴はムーミンパパが川に橋を架ける時に間違えて破壊されたことがある。そのため、しばらくの間ムーミンの家に居候していた。
パパ…(--;
…とまあ、そんな感じで映画版ムーミンに関する豆知識でしたー!(無理矢理映画ブログっぽくまとめてみた)(ムダじゃムダじゃ…)