アイアムレジェンドのエンドロールで、「alpha male(アルファメイル)」という登場人物がクレジットされていることには気づきました?
彼はダークシーカーたちのリーダー格の男のことです。
なぜ彼だけ「アルファメイル」という名前を付けられていたのでしょう?
アルファメイルさんたちの能力などはこちらにまとめてあります
アルファメイルの言葉の意味
実はアルファメイルとは生物学の用語の一つなんです。
アルファ(alpha=α)とは「一番最初の」という意味を持った単語ですが、生物学(動物生態学)の世界ではアルファといえば「群れの中で最優位の個体」を意味するんです。
それにmale(男性)という単語をつけて呼べば、「群れで序列一位のオス」のことになります。(雌の場合は alpha female といいます)
まぁ野生動物ですから、ふつうは一番からだが大きく腕力の強い個体のことで、いわゆるボス猿と考えてもらえればわかりやすいでしょう。
たしかにボスとして振る舞っていたアルファメイルさん。渋めの表情がポイント。
アルファメイルの役割
実際の動物では、特にチンパンジー、ゴリラ、ニホンザルなど群れで暮らす猿などにアルファメイルはよく観察されます。
これらの動物は群れの中での順位性がしっかりしてて、餌の確保、雌との交尾の優先などに影響してきます。
…ところで、アルファメイルさんも優先的に交尾してたんでしょうかね。たしかにこの物語唯一の彼女持ちリア充だし(劇場未公開版参照)
ダークシーカーが交尾できるかどうかは不明ですが、もし出来ないとなると、アルファメイルさんと彼女とはプラトニックな関係ってことになります(笑)
…見た目のわりに高尚な奴です。
彼女を奪われ、ピュアな瞳で訴えるアルファメイルさん。
ボス猿ではなくアルファメイルが正しい?
実は現在日本でも、ニホンザルの群れの序列一位を「ボス猿」と呼ぶのをやめています。
代わりに alpha male を直訳した「α雄(アルファオス)」と呼ぶようにしているのです。翻訳が中途半端でダサい…。
なぜかというと、αオスは、リーダーシップを発揮しないから。
αオスは他のオスから交尾のチャンスや餌を実力で奪うことは出来ますし、喧嘩をしなくても睨みをきかすだけで譲らせることも出来ます。
しかし実は、αオスは他のメンバーに命令をくだすことをしませんし、できないのです。
群れのルールとしてαオスに権力を預けるようなこともありません。
喧嘩の結果として自然発生的に序列が出来ただけで、彼が「ボス」や「リーダー」として群れに指示を出せるわけではないのです。(疑似的にそう見えることもありますが、真の意味ではリーダーじゃありません)
そのため「ボスという単語は権力を持っているかのような誤解を与える」として、現在はボス猿という表現に変わって「αオス」が使われているのです。
さてここでダークシーカーを考えてみると、アルファメイルさんは他のダークシーカーにしっかり命令を下していましたね。
これは逆に考えると、チンパンジーやゴリラなど高等な類人猿でも見られない行為ということです。
ダークシーカーが動物的な群れの域を越え、高度な社会的集団として機能している一つの証拠ともいえるのです。
たしかにアルファメイルさん、自分の見せ場では取り巻きを下がらせてた。
余談ですが alpha male には「群れの序列一位の雄」という意味から派生して、「非常にモテる男」あるいは「男の中の男」というスラング的な使われ方もするようです。
さすが俺たちのアルファメイルさんだぜッ!!
アルファメイルさん感染前ってどんな感じ?
なおアルファメイルさんを演じたのはダッシュ・ミホークという俳優さんです。
これといった代表作はありませんが、脇役ながらコンスタントに映画出演、テレビドラマ出演を続けている方です。
だから、アルファメイルさん感染前は、だいたいこんな感じかと思われます
↓
おまけ
撮影のためなら体も張るアルファメイルさん。
リアクション芸人ばりの体当たり。
「灰皿よろしかったすか~」
ガソリンスタンドでも働けそうなアルファメイルさん