Amazonプライムにある、知る人ぞ知る良作『メガマインド』、なかなかおもしろい作品でした。
中でも、正義の味方・メトロマン!なかなかいいキャラクターで気に入りました(笑)
自分に自信バリバリのドヤ顔!常にカメラを意識したコテッコテのヒーローっぷり!基本的にいけ好かない奴です。
そして声優が「ブラッド・ピット」と無駄に豪華なのもツボです(笑)(一応白文字にしておきます)
世界を救えるだけの力を持っていながら、「もう引退したいから」と死んだふり。信じてくれている市民を騙して死んだふり。そこからはいくら街が荒れ果てても知らんぷり。
なんと華麗なる自己中\(^o^)/
「メガマインド、これからはお前が街を守るんだ…!(キラーン)」
…ってうるさいわ!偉そうにすんなボケェ!!
でも、よくよく考えてみると、彼の苦悩ももっともなことと思えてきます。
ヒーローは公務員だ
あれだけ市民に愛されていたのだから、きっと万能のスーパーヒーローたる彼は、非常に多岐にわたる仕事をこなしていたんじゃないかと考えられます。
- メガマインドに誘拐されたロクサーヌの救出
- 凶悪犯罪者の逮捕
- 火災で取り残された市民をビルから助け出す
- 災害救助活動
- またもメガマインドに誘拐されたロクサーヌを救出
- 迷子を親元に届ける
- テロ対策
- またしてもメガマインドに(略
ざっと思いつくだけで彼はこれだけの仕事をこなしているんです。
「助けて!メトロマン!」
どんな時でも、市民の助けを呼ぶ声が聞こえたら、すぐさま駆けつけて解決してくれるスーパーヒーロー!彼こそがメトロタウンの守護神メトロマンなのです!!
…いやこれ、すっっっごい大変じゃね?
そもそも、救助活動だの、犯罪防止だの、これらの仕事って全部、消防とか、警察とか、役所とか、行政機関=公務員のすべき仕事ですよね…。ヒーローって公務員やったんや…。
しかも世間から注目されているから、うかつに悪いことをしたらすぐに公務員バッシング大きく報道されてしまう。聖職者のような模範的行動を要求されるのです。
うわあ。ヒーローって結構しんどそうだ。
ヒーローに休みはない
しかし、それにしても忙しい。
社会人になると痛感するんですが、いつ呼び出しがあるかわからないのって地味にキツいですよね。彼にはオフの日とかあったんでしょうか。
メトロマン「出来れば平日21時以降と土日祝日の活動は控えてほしいんだが」
メガマインド「そうはいってもこっちにも都合があるし…。視聴率の高いゴールデンタイムこそ働き時なんで。」
メトロマン「では、火・木休みで、午前は10時までオフタイムということでどうかな」
メガマインド「う、うむ…それなら…」
メトロマン「あ、あと年に一回まとまった休暇もほしい」
なにこの労使交渉。
メガマインドがこんな話し合い受けてくれるはずないですよね。
きっと年がら年中フルタイムで働き続けていることです。
せめて、たまに自分の仕事を引き継げる誰かがいれば!!
しかし彼のオンリーワンの能力とサービス精神を考えると、それも難しそう。
他の人にも頼んだり、「あー、これはうちでは無理ですわー。」って言えないですからね。ヒーローは辛いです。
(そういう意味で、たまにはコブンギョに仕事を一任して一休みできるメガマインドは意外とヒーローに適任と言えます)
もちろん、ヒーローの活動って素晴らしいものです。
困っている人を助ける、誰かを幸せにすることほど、充実した気持ちになれる行いは他にありません。
メトロマン本人も、この上ない充実感と、名声をかみしめていたことでしょう。そりゃウザいドヤ顔も加速するわ
基本ボランティア活動で収入がないとはいえ、篤志家からの寄付だってけっこう集まっていたはずですし。
それでもやっぱり、キツかっただろうなあ。
僕自身、一応「世のため人のため」の仕事をしています。ヒーローとまでは言えませんが、誰かを助ける充実感を感じることもあるし、ありがとうの言葉をいただけることもあります。
でもやっぱり休日の呼び出しは億劫だし、出来れば定時で帰りたい。それが本音です。
いくら人助けの仕事とは言え、しんどいもんはしんどいのです(笑)
人助けや社会貢献の充実感は感じていながらも、趣味の映画を観る時間や、ブログ書いてる時間も大切にしたい。
メトロマンが「音楽に生きたい…!」と憧れてしまう気持ちはよくわかるんですよねぇ。下手くそであっても、楽しいんだもんな。
真のヒーローとは
しかし、完全にヒーローを引退してしまった彼は、やっぱり真のヒーローではないと思います。
そして、メガマインドでもまだ、真のヒーローとは言えません。
真のヒーローとはなにか?
それはアメコミを中心とした様々な映画で語られてきた大切なテーマです。
そこには様々な答えがあるでしょう。しかし、僕が真のヒーローとして強く推薦したいのが、
パーマン1号です。
いやいやいや!!本当に!冗談じゃなくてね!
ちょっとこのエピソードを読んでみてください。
2巻に収録されている『パーマンやめたい』というエピソードです。
パーマン1号こと須羽みつお君は、どれだけ活躍しても「須羽みつお君」として評価されることがない悩みを抱えていました。
パーマンは正体がバレちゃいけませんからね。それどころか、連日のパーマン活動で睡眠不足。親や教師からは「勉強をサボっている」「授業中居眠りをしている」と叱られ、友達にも呆れられてしまいます。
あまりの過労と報われなさに彼はついにぶち切れ、引退を決意します。仲間たちやバードマン(上司)の必死の引き留めにも、耳を貸さず、彼はパーマンをやめてしまいました。
ある日の夜中、大規模水害が起こりました。
パーマン仲間は、「たくさん人が救助を必要としている。一緒に助けにいこう」と彼を呼び出します。
しかし、もう自分はパーマンは辞めたのだと断固として追い返します。
本来ギャグマンガのパーマンですが、この回は終始真剣な空気です。
ようやく手に入れた安らかな夜。しかし彼は、なかなか眠れませんでした。
「自分だけが犠牲になることない。どうせ褒めてももらえない、得にもならないんだ…」と自分に言い聞かせ必死で布団に潜り込みます。そして、彼はむくりと布団から立ち上がると、パーマンセットを身につけると、部屋の外に飛び出しました。
そこへ待っていたバードマン。
「何の得にもならないし褒められもしないのに、なぜ行くんだい?」
パーマンは困った顔で答えました。
「わからない…。でもいかずにはいられないんです。」「わけは後で考えるよ、急がなくちゃ」
彼は急いで飛び去っていきました。バードマンは呟き見送ります
「だれが褒めなくてもわたしだけは知っているよ、きみがえらいやつだってこと」
でもいかずにはいられないんだ。
でもいかずにはいられないんだ(感涙)
そう!これです!これこそが本当のヒーローではないでしょうか!
メトロマンや、メガマインドに足りなかったのは、この心。本当のヒーローって、損とか得とか周りの評価とか、そういうものをぶっちぎったところにあるンだと思うんです。
個人的には、メガマインドにちらりとみえた、ただただ誰かを助けたい、そんな気持ちに突き動かされる描写がもっとほしかったなーと思います。
これ、パーマンのレビュー記事だっけ
その他、徒然と小ネタ。
メトロマンの音楽の才能の無さに比べて、メガマインドの音楽の趣味の良さには笑ってしまいました(笑)
登場シーンのBGMが、ガンズアンドローゼスの“Welcome to the jungle”ですよ!それもイントロから!かっこよすぎ!!
何このカッコ良さ(笑)
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エンドロールの途中に挟まれていたシーンの、学芸員(本物)を殴って気絶させたハンマー、一応名前が設定してあります。
「forget-me-stick」
う~ん、なかなかイカしたネーミングセンス(笑)
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ほとんどの人はアマゾンプライムなどの動画視聴サービスでみられたことと思いますが、実はDVDを購入すると、Megamind ‘s Button Of Doomという続編ショートストーリーのDVDも同梱されています。
興味がある方はこちらもどうぞ!